サバイバルに使える温石の知恵・・・福島県立埋蔵文化財センターの珍品
福島県埋文コレクションの珍品のひとつが、室町時代の温石(おんじゃく)で、素材は滑石片岩とのこと。
小穴に針金を通しておいて、囲炉裏の灰に埋めて温まった頃合いで火箸で針金をひっかけて引き出し、ボロに包んで懐炉にしたり、痛む部位を温める民間療法に使われていた。
滑石はロウセキや体験会で勾玉をつくる石材として知られるが、漢方薬、食品や化粧品などの添加物にも使われており、英語でベビーパウダーを「タルカム・パウダー」と呼ぶのは、滑石の英語名TALK(タルク)に由来しているらしい。
でも蛇紋岩と同じく、アスベストを含むので扱いに注意が必要な鉱物なのですぞ。
加賀藩の前田公が、参勤交代で糸魚川宿に泊まったさい、にわかに腹痛となった・・・名主から勧められた温石をお試しになり、たちどころに快癒、感激した前田公が将軍に献上したと記録があり、どうやら糸魚川産は蛇紋岩製であったようだ。
温石に使っていた石は、蛇紋岩と玄武岩、そして滑石・・・いざという時のサバイバルに役立ちますな。
糸魚川で「石のまちプロジェクト」というのをやっているが、鉱物の種類を誇るだけではストライクゾーンが狭すぎる。
ヒトと石の物語、多くの人に興味を持ってもらうには大事だと思いますよぅ。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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