カタチにも必然性があるってことだし、モノには内実が必要ということよbyオレ・・・石笛
ヒスイ原石は小割機でカットするが、カット能力は厚み4㎝くらいまでだから、厚み10㎝もある原石は手に持って回転させながらカットして、最後はクサビをいれて割る。

ところがこれが難しく、カット面に段差ができたりする。

半年間も仕事をしていなかったので、高くうれる商品をつくるために秘蔵品の透明感のある緑系の原石をカットしたら、100点満点で真っ二つにカットできた。神業~!( ´艸`)

小割した不定形をした端材を無駄にせず、超小型の石笛をつくったらすぐ売れた。助かるわ。

わたしの石笛をコピーする人は多いが、いかにも操作願望を感じる予定調和的な印象がするのは、直方体をつくってからシンメトリック形状にしているのかな。

鉱物なのにやわらかさと温もりを感じるヒスイ加工品を目指す!
わたしは原石の姿を活かしてつくっているので、工程の3割まではどんな形状になるか自分でもわからないし、研磨方法は原石の質と姿にあわせているから一様ではなく、シンメトリックでもない即興的なつくり方。
市販品に多い8㎜の吹き孔直径は、おそらくは一番安いホルソー(ドリル)で在庫を統一しているからだろうが、工夫しないと吹けばピーと音がするだけの「孔をあけた石の塊り」になってしまう。
わたしの超小型の石笛は8㎜孔であっても、様々な工夫をしてあるので1オクターブをこえる音域を持つし、芳醇な倍音を持っている。プロなら4音階か5音階あれば即興演奏できるので1オクターブ超えの音域は必ずしも必要ではないのだが、吹き手の即興に応える石笛をつくると自然にそうなってしまう。

「俺のドラムをコピーするのは簡単さ。でも俺を超えられないぜ!」・・・チャーリー・ワッツ(写真はウイキペディアさんより)
カタチにも必然性があるってことだし、モノには内実が必要ということよ。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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