15回目の3.11に思う・・・「アレクセイと泉」
能登半島地震の震源のまうえに建設予定だった、珠洲原発が稼働していたら、どうなっていただろう?
発災は北西の季節風の時期だったので、最悪の場合は北海道までの日本海沿岸が、フクシマのように立入制限地域になった可能性があるのではないか。
「誰も責めない、誰も孤立させない」をキャッチフレーズにした住民運動により、30年ちかくかかって建設中止を勝ち取った珠洲の人々に感謝感激。

みなさん震災と豪雨災害のダブルパンチでひどい状況でも、推進派と反対派は、珠洲市を真っ二つにした原発問題は禁句として、助け合って暮らしているようだ。

昨年にお亡くなりになった本橋誠一監督が、20年以上も前に撮ったドキュメンタリー映画が、「ナージャの村」と「アレクセイと泉」で、どちらもチェルノブイリ原発事故により放射線汚染地域となっても、退去命令に従わずに住み続けるウクライナの寒村(現在はベラルーシ)が人々が描かれている。

「アレクセイと泉」では、村に残ったのは老人ばかりだ。
「どこで何をして暮らせというのか?放射能がなくても、どうせ先は長くないさ。住みなれた村で死にたい」と訴える。
不思議なことに村の水源の泉からは放射線は検出されず、老人たちは「この泉は100年前の湧き水だからさ」と笑って飲み、森のキノコも「汚染されているから食うなと言われても、こんな美味いものを食わない方が体に悪いよ!」と、昔ながらの生活を崩さない。
老人ばかり残った村の唯一の若手が純朴なアレクセイ青年で、村の力仕事や泉の水汲みを担っている。
原発事故にめげずに、よく働きよく笑い、つつましく暮らす善良な人々だったが、現在は老人たちが亡くなったので、アレクセイも村をはなれて家庭を持ったようだ。
この地域の住民だった人々には、放射線に由来するらしき疾病も多いらしい。
ちなみに珠洲原発が中止になったのは、粘り強く抵抗した住民運動のほかに、推進派の汚職や不正行為の発覚と、アメリカのスリーマイル島原発事故、その後にチェルノブイリ原発事故が発生したことで、推進運動の気勢が削がれたこともある。

世界的なベストセラーになった「沈黙の春」「センス・オブ・ワンダー」で知られるレイチェル・カーソンは、「我らをめぐる海」で、台所に捨てたコップの水は、川に注がれ海に流れ、水蒸気となって雲が雨となり、再び戻ってくるのが2年後と、書いている。
この説が本当なら、いちど放出された放射線は、除染や海洋放出して薄めても、地球上の放射線量の絶対量はかわらないので、世界を巡りつづけていくことになる。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。





