美術女子来たる

美術を専攻する女子大生が、一泊二日でぬなかわヒスイ工房に訪ねて来てくれた。

購入した手工芸品の現場を取材してレポートするという課題だそうで、京都の「民族楽器コイズミ」さんで私の作ったヒスイ製石笛を買ってくれたのだとか。

お客さんを必ず案内するのが親不知・・・綺麗なネフライトが拾えた。

ヒスイ原石屋さんで鑑定してもらった結果、やはり極上のネフライト(軟玉ヒスイ)との事。

 

ヒスイや縄文の興味から、ぬなかわヒスイ工房を訪れてくれるお客様が多いなか、造形やモノ作りの現場に興味を持って訪ねてくれるのだから是非もない。

話してみると事前取材は相当で、取材も熱心だった。

五千年前のヒスイ工房と推測されている、長者ケ原遺跡の復元された20号住居も、必ず案内する場所。

糸魚川に多い左巻き渦巻のカタツムリ発見・・・全国的には右巻きが多く、珍しいらしいのだ。

 

予定調和的なモノ作りと即興的なモノ作りの違い、勾玉のカタチをしたヒスイとヒスイ製の勾玉の違い、そして石笛のようなモノと石笛の違いなど、普通の人には難解な事を二日間にわたって話した。

美術や造形の素養があるためもあるだろうが、普通の人では難解な話しも通りがよく、異質な世界への理解のセンスがとてもいい。

彼女の趣味が写真撮影との事でカメラに詳しく、私も色々教えてもらえて助かった。

 

質問も切口鋭く的を得ており、思わず誰にも教えない技術的な事まで喋ってしまった。

卒業後は美術館の学芸員でもしながら創作活動をしてくのかも知れないが、編集者や取材する仕事にも向いているぞ(笑)

まだ21歳との事だが、行く末が愉しみなお嬢さん。

 

 

 

 

投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

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