黒澤明監督作品「天国と地獄」の名バイプレーヤー

「天国と地獄」では、山崎努の名演をたたえる人が多いので、ヘソ曲りなわたしは沢村いき雄が演じる駅員が、録音した犯人からの電話の電車の通過音から、江ノ電と特定する場面を推したい!

「この音はね、パンタグラフの音じゃないの!江ノ電は旧式のポールだから、シュルシュルシュルーって音がするから間違えようないの!」と、ざるそばを食う手を止めて嬉々として身振り手振りで鉄道オタクぶりを発揮している最中に、深刻な顔をした木村功演じる刑事が江ノ電とわかった途端に立ち去る対比がおかしいw

息詰まる展開が続く本作にあって、息抜きの場面をはさんで緩急をつけてますねぇ。クロサワ映画にはこういった落語的なエピソードがあったりするところが好き。

黒澤さんの自伝「蝦蟇の油」には、子ども時代から父親が映画や寄席に連れていってくれ、柳家小さん(おそらく三代目)が贔屓だったと書いてあるけど、落語に精通してないとこんな場面は思いつかないし、演じる側も落語の感じでね!と理解していたのだろう。

先日のBSの放送で、セリフのある新聞記者の後ろの方に、まだ頭頂部に髪の毛があるころの大滝秀治を発見したが、セリフなしでも一生懸命に演技していた。

黒澤明監督の娘の和子さんの著書によると、本作が公開されてから模倣犯が多発したことの苦情や、娘を誘拐するといった脅迫が殺到して、しばらくは和子さんは登下校で車の送迎をしてもらっていたそうだから、社会現象になったんですな。

投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です