ロケに来た映画人、そして市民の心のオアシス・・・ブックスサカイ閉店まで1週間
ブックスサカイ閉店まで1週間・・・。

20日の注文締め切り日に駆け込み注文していた本が揃ったので購入。ブックスサカイへの餞別の意味で、高野秀行さん新書で買える著作もかたっぱしから大量購入した全20冊!今年中に読み終わるかしらん?w

昭文社「ツーリングマップル」は広域・市街地と見やすく、ガイドブックの「地球の歩き方」みたいに安宿や車中泊できる場所、美味い食堂の読者投稿が豊富だからフィールドワークに欠かせない。懸案だった北陸~北九州の日本海沿岸の勾玉探偵の実現のために購入。

すでにレンタルビデオコーナーはがらんとした。4月30日午後8時の閉店までは店員さん2人体制でまわすそうだ。寂しいねぇ・・・。
平成の大合併前のブックスサカイは、糸魚川駅をでてすぐ前の二階建ての酒井書店だった。
駅前に大きなホテルがなかった当時は、映画のロケがあると有名俳優たちは駅前の旅館に分散して泊まっていたようだ。

「越後つついし親不知」は三國連太郎・小沢昭一・佐久間良子の三人が主演。脇役の殿山泰司のエッセイに、この時の芸者遊びして、田舎のシャーゲイ(芸能界の符牒で芸者のこと)相手に手っ取り早くお寝んねしようと思ったら、オレは芸に涙した・・・などの逸話が書かれているが、みなさん読書家で知られる俳優なので郷土史や小説など買ったかも。
娯楽のすくない田舎町に、都会からロケにきた映画人たちにとって、酒井書店はオアシスだったに違いない。学業半ばで戦地に赴いた学徒兵たちも、哲学や宗教関連の岩波文庫をポケットに忍ばせていたと聞くが、どこにいても本の世界に心の居場所を見つけられるのだ。

カンヌ映画祭で最高賞受賞の「楢山節考」のロケでは、主演の緒形拳が堂々とエロ本を立ち読みしてたので、ダウンベストの背中にサインもらったと近所の人が見せてくれ、「おまん、これじゃ緒形拳が持ち主みたいだねか」と笑いあった。
少年時代、小遣いもらって駆け出して買った「天才バカボン」。
小学生の小遣いでは買えない巨大な戦艦大和のプラモデルを、ショウウンドウ越しに見惚れた学校帰り。
ゴム動力のライトプレーンを買っては競い合って飛ばした。
ブックスサカイの思い出は、小遣いをくれた親戚や爺さん、オヤジと少年時代の思い出と紐付けられている。
セレモニーもなく粛々と通常通りに閉店するそうなので、当日の閉店間際に、ちいさな花束をもって楽しい思い出をありがとうと、感謝の言葉だけでも伝えにいこうと思う。
同じ想いの方々もどうですか?ささやかでも有終の美を飾ってあげましょうよ。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
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