取り戻すべき日本とは?・・・「東京物語」に描かれた古き佳き日本

「日本を、取り戻す!」・・・古き佳き日本の伝統を守る真の愛国者こそが保守政治なのだ!と、ある戦後生まれの旧安倍派の政治家が訴えていたが、あたかも反原発論者や護憲派は愛国者に非ずとの考え方が、戦時中の不寛容な全体主義のようで溜息がでる。

取り戻したい「古き佳き日本」は人様々だから、政治家は抽象論を熱く語らず政策を語ってほしいネw

戦争体験者の小津安二郎監督は、戦後に全体主義国家がひきおこした戦争で失われてしまった「古き佳き日本」の悲愁をくりかえし描いている。

「東京物語」では戦前と戦後の世代間の断絶と大家族の崩壊の悲愁と喪失感が描かれているが、日本以上に西洋に熱心なファンが多いと聞く。

尾道から東京の子供に会いにした老夫婦は邪魔にされ、熱海の安旅館に追いやられるが・・・まぁ、わしらはいい方じゃよ・・・そうですねぇ、いい方ですねぇ・・・と、諦観的な老夫婦の会話が切なく、西洋人も共感するらしい。

洋の東西を問わない普遍的なテーマなんですな。

子供たちのなかで親身になって世話をしてくれたのは、血のつながらない戦死した次男の嫁だった。

糟糠の妻の臨終に笠智衆は・・・そうか、もういかんのか・・・と静かに席をたち海を見に行く。心配した次男の嫁が迎えにくると、きれいな夜明けじゃった・・・とだけ語る映画史上に名高い場面。

今どきの映画なら泣き崩れてからの長ゼリフで状況説明となるのだが、小津作品の登場人物は感情を露わにせずにセリフは短いから、観た人は自分の人生経験の記憶がひきおこされて感情移入できる訳。

わたしが取り戻したい「古き佳き日本」は、「東京物語」の老夫婦のように謙虚にして寛容で、自分の価値観だけの二項対立で社会を分断しない自然体の生き様であって、戦前のような全体主義国家ではないネ。

#日本を取り戻す #東京物語 #小津安二郎

投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

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