ツワモノドモの夢の痕・・・けんか祭りの神輿
「けんか祭り」のクライマックスは、一の神輿(西)と二の神輿(東)の二基の神輿の競争させる「お走り」だ。

祭り翌日の二基の神輿は、普段は御幣がならんでいる神社の幣殿に安置される。

祭りの早朝のくらいうちに、わたしが生まれ育った新町が、神輿庫から神輿を出して石舞台に安置。普段は石垣っぽい石舞台も、祭りの時だけ四方に四神を祀った赤い欄干と垂れ幕で飾られ、見違えるほど雅。
ラクビーのスクラムのように、神輿をぶつけては押し合う「競り合い」と、頃合いをみて走って距離をとることを、最低6回はおこなった後なので、氏子の気力体力は限界に近づいている。
「お走り」の定位置は神社拝殿の東西で、一の神輿が東角、二の神輿が西角なので、一の神輿が半周分のハンデをもらって勝つ仕組みになってはいるし、偶数年が寺町区で奇数年が押上区と交互に一の神輿を担ぐので、恨みっこなし。
寺町区が勝てば豊年、押上区が勝てば豊漁が約束される神占いになっている。
祭りの間じゅう奏でられている厳粛な「三つ拍子」の舞楽が、両区の総代が石舞台にあがって並び、うけとった榊を阿吽の呼吸ではげしく降るのが、「お走り」のスタートの合図。
舞楽は一転して早い調子の「ドンデンドン」(お走りともいう)となり、氏子たちの激走がはじまる。
子供のころは、風呂にはいれ、寝なさいといわれてグズグズしていると、親から「ドンデンドン鳴ったよ!」といわれたら問答無用で、四の五の言わんとやれと言われて育った。
怪我をしていても、疲れていても問答無用で、ヤッショイ!ヤッショイ!と奔るのみ。
転んだら男子一生の恥と言われているので、どんなに辛くても歯を食いしばって奔る。

神社拝殿裏の幣殿の東から神輿をすべり込ませるのが「お走り」のゴール。神輿が鎮座している場所が幣殿で、普段は戸は閉められている。

写真は舞楽が奉納される翌日の神輿で、担ぎ棒の先端の漆が剝がれて、泥で汚れている・・・ツワモノドモの夢の痕。
涙を流しながら神輿を撫で、なにやら語りかている先達がいた。
投稿者プロフィール

-
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。
最新の投稿
糸魚川自慢2026年4月16日ツワモノドモの夢の痕・・・けんか祭りの神輿
記録しておきたいヒト・モノ・本・映画2026年4月15日おめぇ、丑年の生まれかぁ?・・・黒澤明監督作品「椿三十郎」名ゼリフ
糸魚川自慢2026年4月11日ヤッショイ!・・・けんか祭り2026
糸魚川自慢2026年4月9日隠れた名湯・・・糸魚川市「ホテル國富・翠泉閣」

