「すごい映画」と「おもしろい映画」に優劣がある?・・・「七人の侍」のリメイク映画「荒野の七人」
Facebookの映画コミュニティサイトにクロサワ映画の「椿三十郎」のリメイク版を投稿したら、「リメイク版に成功例はない」「芸術性が劣る」と、リメイク版をこき下ろす批判コメントがいくつか来たけど、映画に芸術性より解りやすいエンターテインメント性を求める人もいるし、同じ映画でも感想は人様々だから好き嫌いはあって当たり前。
でも、これが正解!とばかりに個人の主観を押し付けては、全体主義国家の検閲官みたいじゃない?それにリメイク映画にも傑作はある。

クロサワ映画「七人の侍」を西部劇に置き換えた「荒野の七人」をテレビで観たのは小学1年の時で、その晩はバーンスタイン作曲の雄大なテーマ曲が脳内に鳴り響いて眠れなかったくらい興奮した。自転車に乗る時はテーマ曲を口ずさんみガンマン気取りしていたくらいw。
その時から熱烈な映画ファンになり、「荒野の七人」のサントラ盤を買ったし、姉の映画雑誌をむさぼるように読むようになったのだから、「荒野の七人」は恩人のような作品。でも小学1年生に「七人の侍」を観たら退屈だったかも。
高校生の時に「七人の侍」を観て作品の奥深さに感嘆したが、「七人の侍」は「すごい映画」、「荒野の七人」は「面白い映画」と思っているから、わたしには優劣など付けられない。緻密なベートーヴェンに対して軽快なビバルディやモーツァルトの佳さもあるように、どちらも好きだし観るたびに発見がある。
子どものころは、沈着冷静なユル・ブリンナーと、歯をむき出してナイフを投げかけて絶命するジェームス・コバーン、無愛想なのに子どもに好かれるチャールズ・ブロンソンのキャラが好きだったけど、大人になってからはスティーブ・マックイーンの佇まいや身のこなし方が、いかにも格好いいと思うようになった。

オリジナルでは宮口精二が演じた寡黙な剣豪の久蔵を、リメイクではジェームス・コバーンがナイフ投げのブリットを演じていて、うまいことアメリカ人向けにキャラをつくりかえたもんだと感心する。

この頃のブロンソンはヒゲはなかったが、無愛想な役柄は相変わらず。コバーン、ブロンソン、マックイーンの三人は、同じ監督で「大脱走」に出演したから、この三人の出世作でもありますな。

リメイク版でいちばんウエスタンっぽい雰囲気を漂わせているのが、やっぱりスティーブ・マックイーン。ロシア出身の主役のユル・ブリンナーは、主役を食う演技ばかりするがマックイーンに怒っていたとかw

古武術を習っていた頃は、見どころが少ない山師役のブラッド・デクスターが塹壕掘りで見せる数秒のカットの身体能力に、お主やるな!と目を見張ったのだから、同じ人間でも映画の感想や見どころは時代と共にかわってゆく。そこが面白いと思いますねぇ。
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。






