蓋然的推論のススメ・・・「糸魚川翡翠展2025」を終えて

整体協会の先輩が花束をもって作品展にきてくれた。

花をもらうことは前にもあったが、お求めになった作品の桐箱にサインしてくれと頼まれたのは初めてw。

女優さんはポーズが上手。今年の作品展は演劇方面のお客さんが多かったが、考古学研究者も多くて貴重な話を聞けた。

来場記念の写真撮影にコスプレ用首飾りが大人気。考古学者も勾玉の連珠を首にさげるのは初めての人が多く、重みや実感を味わってもらった。

ビーズ研究者の遠藤仁さんには、女性心理の「ルンルン」を体験してもらうために初めてのイヤリング装着。
遠藤さんはインドのビーズ職人から「おまえも職人カーストか?」と驚かれたほどの打製石器つくりの名人だし、奥さんは地学研究者だから、ご夫婦そろって話しが面白い。

文化財修復家のHさん、装身具研究者のSさんにも疑問点を質問責め!得難い経験でございます。

毎回のように顔をだしてくれる俳優の佐藤正宏さんは、持病の脊椎管狭窄症との付き合い方から、共通の趣味の落語、映画、民俗学と多岐にわたる話を1時間もしたが、「タモリ俱楽部」の一場面のようで独りで聞くのがもったいないくらい楽しい人。

作品展は商売だけではなく、いろんな職業の人と交流して知見を広げられる絶好の機会。

冷やかしで見に来た人でも、縄文やヒスイのファンを増やしたいし、将来のお客さんになるかも知れないから誠実に接客する。

コロナ禍の自粛ムードに風穴を開けたいとプロデューサーの天川彩さんから誘われてはじまったのが、今年で5回目となった翡翠展。だんだんと展示の仕方がオシャレになっていくネ。

普段から会う人ごとに力説しているのは、偏向した歴史認識や、トンデモ説、二項対立的な陰謀論が幅を利かせ、既存メディアはフェイクや隠蔽であってSNS情報こそは真実とする人が多くなってきた昨今、どんな媒体の情報であっても立証主義的に思考することと、不明なグレーゾーンは留保して確からしさを高めていく「蓋然的推論」の考え方の大事さだ。

本来の人文科学の研究は「蓋然的推論」の積み重ねなのだが、80年代に流行った中沢新一に代表される「既存のアカデミズムにとらわれないニューアカデミズム」とやから、希望的観測を補完するために脈絡もなくアカデミズムが慎重に積み重ねてきた情報を切り張りした独自説を史実とする人が増えてきたようで、わたしには戦前に皇国史観が侵略戦争の正当化に利用された流れを想起して危険に思えるのだ。

こちらの棚も100均で買った素材だけで仮設した。組立時間は10分・経費300円也!天川さんが褒めてくれたので寄贈してきた。

ヒスイや縄文時代のことや、ヌナカワ姫のことが書かれていると先輩から頂いたのが中沢新一の「アースダイバー神社編」で、都合よく考古学の知見を切り張りしたトンデモ自説を史実のように書いていたが、トンデモ説であっても「わたしはこう思う」といった体裁や、ファンタジー小説ならいいのだけど、事実として断言しては戦時中の日本軍参謀の思考法と同じですネ。

あとから「騙された!」では遅い。

こういった考え方もあるということを聞いてもらえるだけでも、作品展をする意義があると思う次第。

#ぬなかわヒスイ工房 #ヒスイ #翡翠 #勾玉 #糸魚川翡翠展2025

投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

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