素材より造形で勝負!・・・出雲大社の眞名井の勾玉

出雲でボランティアガイドをしている方から、出雲大社神祜殿(しんこでん・宝物殿の名称)に展示されている、眞名井遺跡出土の勾玉(重要文化財)の複製を依頼されたのだが、今どき実物のような極上ヒスイは入手できないし、現在入手できるランク下のロウカン質でもビックリ価格になってしまうから、原石をお持ちなら支給してもらって製作もできるとご提案して3点送ってもらう。

送られてきた3点の原石は左から糸魚川ヒスイの海石、中央が軟玉ヒスイ(ネフライト)、右がミャンマーヒスイ

海石は節理(石目)が多い上に不純物が多すぎて加工に向かないし、ミャンマーヒスイも黄色い部分が軟らかい不純物で加工に向かないので、加工に向くのは中央の軟玉ヒスイだけだった。

依頼者はヒスイ好きの勾玉コレクターさんではなく、ガイドの時に参拝者に参考に見せたいだけだそうだから、鉱物学的は硬玉ヒスイと別物でも、実物の色と質感に似た、軟玉ヒスイ(ネフライト)での製作をご提案して製作。

軟玉ヒスイを斜めにはしる節理は絶対に割れるから最初はカットして、傷取り研磨してベストな模様の位置を観察。平らに見えるプレートでも、バレル研磨機で光沢をつけてあるだけなので、実際にはカットした時にできた傷が凸凹して荒れていて、目視できない節理が隠れていたり、地の色合いが目視にしにくいから、面倒でも傷取り研磨は欠かせない工程。

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「縄文時代の古墳から出土した勾玉」など、あり得ないキャッチコピーの商品が平然と売られているヤフオクに、「硬玉ヒスイの遺物勾玉」として出品したら数百万円で売れそうな出来になった・・・バチ当たりな考えでございマス・・・なんまんだぶなんまんだぶ。

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糸魚川産の軟玉ヒスイだと透過光は黄色っぽいが、こちらは鮮やかな黄緑だからカナダ産か台湾産だろうかね?

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平面形状だけコピーできても、立体造形物は奥行きと密度が共わないと似ても似つかなくなる。報告書の実測図をベースにしながら、写真を見ながら何度も修正を加えて自作したテンプレートは知的財産だ。

実物は出雲大社のお宝だから写真撮影不可なのだが、遺物の勾玉を観察し続けてきたことと、何年か前に島根県立博物館に展示されている3Dプリンター造形らしき樹脂製レプリカを撮影する機会に恵まれ、色んな角度から撮影できたことで、テンプレートの完成度が高くなった訳。

同業者は硬玉ヒスイでないと価値がないというけれど、大量生産で一点あたりが1時間で完成させられていく硬玉ヒスイ勾玉と、二日間かけて完成させた一点物のネフライト勾玉のどちらが「THE勾玉」だろうかね?

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投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

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