魯山人の心をひらいた御風さん・・・NHKドラマ「魯山人のかまど」
映画コミュニティサイトでNHKドラマ「魯山人のかまど」の藤竜也の演技評を投稿したら、1,500をこえる「いいね」の大バズリ!ついでに相馬御風の宣伝をしたら、こちらも好評なので以下に転載。

魯山人は稀有な才能をもったマルチ芸術家と評価される一方で、傲慢不遜・狷介固陋と辛辣な評価も多いのはご案内の通り。
しかし人物評は相対的なもので、魯山人は子供には無条件に優しかったと聞くし、大人であっても好人物ぶりを発揮した例はあった。

藤竜也が演じたチャーミングな面もある魯山人の人となりについて、「こうであってほしい」とのコメントを頂いたのです・・・。

本作で、吉田茂から献立の文字に良寛の影響を指摘される場面があったが、魯山人に良寛の知識をあたえ、遺墨の蒐集を仲介したのが、わが郷里、新潟県糸魚川市の文化人の相馬御風(そうまぎょふう)で、魯山人は御風さんには上機嫌であったらしい。
御風さんは、早稲田文学の主筆、早稲田大学の校歌をはじめ、全国各地の大学や旧制中学の校歌の作詞や、「春よ来い」「カチューシャの歌」の作詞者として知られる文人。
しかし東京での文筆活動で何事かの軋轢があったらしく、壮年期に帰郷してからは、あまり知られていなかった良寛を研究し、その集大成の「大愚良寛」が大正時代にベストセラーとなり、良寛が広く知られるようになった。
つまり御風さんは、岡本太郎が「縄文を発見した」ように、良寛を発見して世に出した人。
そんなことから、いまも糸魚川市に保存されている御風さんの自宅には、各界の著名人が訪れていたが、交通事情の悪い戦前に魯山人は三回も御風宅を訪問している。

魯山人が訪れた相馬御風の自宅
ある時など、魯山人自ら食材を買い求めて包丁をふるい、御風さんに食べさせて悦にいっていたそうで、一緒に写っている写真は恵比寿顔の好々爺だから、よほどに御風さんを好きだったのだろう。
ついでながらだけど、土門拳が撮影した坂口安吾は強面に写っているが、魯山人と同じく御風さんと一緒の写真は恵比寿顔!
和歌と書を能くした「大愚良寛」は、子供と無心に遊ぶお坊さんとしても知られるが、博覧強記の碩学の文筆家で、深い考察力と鋭い審美眼を持ちながらも実直な人柄だった御風さんもまた純粋無垢な人物だったと思われ、安吾や魯山人は、今風にいうなら癒し系の御風さんに良寛と同じ匂いを感じ、無条件に心を開いたのではないか?
良寛と御風さんは、魯山人の寄らば切るとばかりに身構え、貝のように閉ざした心の扉を開くことのできた稀有な人と、わたしは理解している。
そんな人になりたいですねぇ。

その御風さんの伝記映画「ふるさとへ還るときGYOFU」が、地元出身俳優の樋口大吾さん主演で、この4月にクランクアップした。
どんな内容かは知らないが、市民のクラウドファンディングで製作されたので、小さな映画館の単館上映がスタートになるだろうと思う。
機会があったらチェックしてみてくださいねぇ。
*3枚目のセピア色の写真が御風さん。
糸魚川市には、御風さんの自宅のほかに、糸魚川市役所の横にある民俗資料館に、魯山人が愛でたであろう御風さんの蒐集品や、邂逅した著名人の手紙なども展示されてます。
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投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。





