中村雅俊と浅田美代子の美しい老い・・・NHKドラマ「おもかげ」

浅田次郎の大ファンなのに小説「おもかげ」が数年前にNHKでドラマ化されていたことを知らず、たまたま見た予告で再放送を知り、全3回を視聴することができた。

幽明境が混沌としたファンタジー小説を、どうやって映像化するのか興味津々だったが、脚本と演出、キャメラと照明、衣装や大道具なども原作の持ち味をテレビドラマなりに再現していて、原作への敬意を感じた。

原作を読んだ時は、定年退職した夜に脳出血で倒れた主人公を、銭湯と屋台に誘うフシギな老人は、昔なら藤原鎌足、今なら不破万作が適役と思っていたらドンピシャで不破万作!

主人公役の中村雅俊と、その妻役の浅田美代子は、内実がにじみ出た自然な演技がお見事で、たるんだ目尻や頬、刻まれたシワが美しいとさえ思え、アップになるたびに見入ってしまう。

目尻や頬を吊り上げる整形手術をする女優も多いけど、オードリー・ヘップバーンなどのように自然な老いのまま映画に出ていた。浅田美代子の化粧っ気がなく乱れた髪は、夫が突然に倒れた妻が看病する姿。労わりたくなるネ。

だいぶ前からTVドラマのオーバーアクトや、あざとい演出と脚本に辟易して観なくなっていたが、本作では若手俳優のオーバーアクトが気になる部分はあっても、ベテラン俳優の渋みを際立たせるコントラストを狙った演出だったのかも知れない。

しみじみした人間ドラマ、やればできるじゃないのNHK!

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投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

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