死者行方不明者5,100余名を出した伊勢湾台風・・・山口百恵主演ドラマ「赤い運命」とアニメ「伊勢湾台風物語」

子どもの頃、山口百恵主演のドラマ「赤いシリーズ」が人気だった。

わたしが好きだった「赤い運命」は、アイドル主演ドラマとしては異色で、オープニングが昭和34年9月に発生した「伊勢湾台風」のモノクロの記録映像とドキュメンタリー風のナレーションが流れ、白い棺桶がならぶ場面を鮮明に覚えている。

伊勢湾台風で両親と生き別れになった二人の女の子が、それぞれ別の親に引き取られ、運命に翻弄されるシリアスなドラマだ。

山口百恵演じた娘は三國連太郎演じる粗暴犯に引き取られたが、実の親は検事の宇津井健。三國がいやったらしい役を怪演していた。

毎回くりかえされるドラマのナレーションで覚えた「昭和34年9月の死者・行方不明者5,100余名をだした伊勢湾台風」は、戦後の自然災害では東日本大震災、阪神淡路大震災に次ぐ、3番目に大きな犠牲者を出している。

日本の平均大気圧は1031ヘクトパスカルだが、2日間で895ヘクトパスカルまで下がった異常なメガ台風だった。

大気圧が1ヘクトパスカル下がると海面は1㎝上昇するので、単純計算で136㎝の海面上昇となるが、実際には風波に煽られた波高が最大で5mも海面上昇して、堤防が決壊した高潮災害となった。

伊勢湾台風で被害を受けた、愛知県半田市日の出町康衛町(1959年9月27日撮影)[愛知県提供]

海水と貯木場の材木が大量に名古屋沿岸部を襲った。

気象庁の予報は正確だった。しかし官公庁が休みになる土曜日の午後の発災だったから広報と防災対応が遅れ、停電でテレビニュースは見られず、まだ乾電池式のポータブルラジオが普及していなかったので、避難がおくれて甚大な被害となった。

現在の天気予報はもっと精度が高いし、防災対策の格段によくなってはいる。

しかし同じ規模の台風が再来したらどうなるか?

当時より複雑に発達したインフラ網は災害に脆弱でもある。

自家用車も比較にならないくらい増えている。

これらがどう影響するのか?

そして被災した場合、右肩上がりの高度経済成長期でマンパワーのあった60年代と比べ、現在は長期の不景気に加えて少子高齢化社会だから、個々の生活再建はより難しくなっている。

巨大地震のみならず、異常気象の災害も頻発してきたので、「伊勢湾台風」も風化させてはならない。

ネット検索したら、発災から30周年を記念して製作されたアニメ「伊勢湾台風物語」があり、YouTube動画で視聴できた。

社会派の映画監督だった神山征二郎の脚本・監督作品で、本格的なドラマに仕上がっている。

家族で視聴して、こんな時そうする?とシュミレーションしておけば、いざという時に役立つのではないだろうか。

ちなみにアニメでは素手で天井を破って屋根のうえに避難する場面で苦闘しているが、昔の日本家屋の板張りの天井板は薄いから、45㎝ピッチの垂木の部分以外にパンチするとぶち破れる。

その次の野地板と瓦屋根は、最低は金槌とバールがないと壊わすのは難しいだろう。

現在のように屋根下地(野地板)がベニアで金属屋根なら、電動丸鋸もないと屋根の上に脱出できないと思う。

しかしそれは最終手段だから、移動できるうちに避難所か高台避難を!

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投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

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