「八紘一宇」より「四方の海」を!・・・極右ナショナリズムの台頭
ドイツの地方選挙で極右政党が躍進したが、欧米でネオナチ勢力が増加しているようだ。

その一方で、最近は「八紘一宇」と書かれたタオルやTシャツが売られているようだ。

世界的な極右ナショナリズムの台頭は、SNSの普及と無関係ではないだろう。
神社などで君が代を歌ったり、舞を奉納する40~60代の女性グループが各地にいて何度か会っているが、歴史観を質問するとネットにあふれる皇国史観のSNS情報の域をでないようなので、欧米のようなガチな極右ナショナリズムではなく、暴走族が好む「七生報国」のようなライト感覚の「ネオ皇国史観」といった感じであるらしい。危ういなぁ・・・。
戦時中の海軍将校でさえ、抽象的すぎて意味不明とした「八紘一宇」は、抽象概念だからこそ扇動者に都合がいい色がつけやすいのだ。
神話と歴史を混同して、「八紘一宇」は神武天皇の時代からあった、世界平和のスローガンと国会で発言する保守政治家が内閣の要職にいる時代。
彼らが信じる2700年前の建国は、文字記録のない縄文時代と弥生時代の端境期だから、本当なら神武天皇は中国の渡来人だったことになるし、アジア太平洋戦争を正当化する国是としてつかわれたのだから平和主義の意味合いはなく、世界中を「皇民化」する海外覇権主義の意味合いがある。
余談だけど、「八紘一宇」の元ネタは、古事記にある神武天皇の詔勅の一節の「八紘為宇」で、政情不安定だった奈良時代の内政問題を統合する意味のスローガンであったようだ。「八紘一宇」は大正期に日蓮宗系の思想家の田中智学による造語ですネ。
いやいや令和の「八紘一宇」は世界平和の意味でつかってます!と言い訳できても、漢字が読めるアジア人が「八紘一宇」のTシャツを着た日本人を見たら軍国主義の再来と思わるよねぇ・・・。
子ども時代の半藤一利さんは、「満州事変」を境にして「八紘一宇」などの四文字八音の標語があふれはじめ、この現象が再来したら戦争が近いと警鐘を鳴らしていた。
戦争は突然おこりはしない。
外国が攻めてくるので軍拡が必要です!と訴える政治家が出てくる。
景気が悪いのは外国人のせいです!純粋な○○人がいなくなってしまいます!とヘイトを煽る人が出てくる。
そこに民族の自尊心をくすぐる抽象概念のスローガンが登場すると、国民に排他的ナショナリズムが高まり、世論が戦争を後押ししたのが戦前の日本。

戦前はファシストを公言していた右翼の親玉の笹川良一のように、戦後に「八紘一宇」が内包する民族主義と海外覇権のイメージを払拭して、「世界は家族・人類みな兄弟」と言い換えた方が穏健だし、世の中が丸くおさまるんじゃない?笹川の本心は知らんけど。
または日露戦争前の御前会議で、明治帝が戦争回避を望むことを暗喩してお詠みになった御製であり、おなじく昭和天皇も対米英戦前の御前会議でお詠みになった「四方の海」とか。
明治天皇と昭和天皇は、「君臨すれど統治せず」の立場を守り、政治介入こそしなかったが、本心では外交による戦争回避を望んでいたことがわかる逸話ですよねぇ。
神武皇紀も八紘一宇も、天皇の意向とは無関係に、思想家や政治家が大正期から昭和初期に創作した概念や造語なので、「日本の伝統」などではないですよ。
天皇が日露戦争と対米戦の回避の暗喩につかった「四方の海」なら四文字五音で穏当で、ロシアとアメリカからも見直されますネ。
#八紘一宇 #極右ナショナリズムの台頭 #ライト感覚なナショナリズム #ネオ皇国史観の蔓延
投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。






