映画ファンと武術家の視点のちがい・・・「たそがれ清兵衛」

「たそがれ清兵衛」は、囲炉裏の煙と光りのコントラスト、自然な暗さが印象的で、燻された茅葺き家屋の匂いが漂ってくるような映画。

下級武士の生活の描き方の緻密さに感嘆するし、真田広之の芝居の巧さだけでなく、鉈の使い方や、脇固めなどの体術も見所。

清兵衛の次女が学問所の縁側を這い上がって座敷にはいる場面などは、なるほどねぇとリアリティを感じる

最後の果たし打ちの場面で、死神のような田中泯の恐ろしさったらないのだが、刀が当たらないように鴨居をチラリと見上げてから次の間に移動して、斬りかかる場面のリアリティに唸った。

鴨居をチラリと見上げる芝居は殺陣師の演出?それとも田中泯?

公開時にお世話になっていた高名な古武術研究家に教えたら、さっそく観に行ってくれたようだ。

しかし先生の感想は、「果し合いの前に清兵衛が平らな砥石で刀を研いでいるでしょ?曲面にした砥石でないと日本刀は研げないし、ピカピカに光った刀なら研ぐ必要はなく、むしろ斬り合いの前は竹などを斬って寝刃(刃をギザギザに荒すこと)を付けないと人は斬れないですよ・・・それに屋内では長刀より小太刀の方が圧倒的に有利で、結局、鴨居に刀を当てて斬られちゃってるじゃないですか・・・あの戦い方では・・・」と、まさかのダメ出しw

「いやいや先生、境遇に絶望した田中泯は最初から脱出することを考えていない捨て鉢な態度だし、斬られてから死を悟って、最後の力で鴨居に刀を打ち込んでしまってます。清兵衛が勝たないと映画になりませんから~!」と解説しても、先生は納得せずに屋内における長刀と小太刀の戦い方の稽古になってしまったw

映画ファンと武術家の視点のちがいが面白く、映画俳優で本当に剣術が巧いのは若山富三郎で、プロの武術家としてメシが食えるレベルなのだと教えてもらった。

そして最後に一言!

清兵衛の同僚役の佐藤正宏さんのネイティブ山形弁も見所!W

投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

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