縄文の落し穴・・・ドキュメンタリー映画「掘る女」その2

前回は映画の概要を紹介したが、縄文探偵としては、岩手県の洋野町にある北玉川遺跡から出土した落し穴の遺構に興味津々。

落し穴といえば、底に逆茂木(さかもぎ・殺傷のための尖った杭)を刺した、円錐台状やフラスコ状の深い穴が複数ならんだ、追込み猟のイメージを持っていたが、この遺跡で出土した落し穴は、最大幅50㎝×深さ1mほどの鋭角な逆三角台形の断面をもつ、当時の小道を横断するように設置された細長いトレンチ状の落し穴で、逆茂木のない単独の落し穴のようだった。

要するに獣の肩より深く落ちてくれれば、狭いV字の底では後ろ脚をあがいて這い上がれないので生かしたまま捕獲でき、胸くらいまでしか落ちない大きな個体は逃げてもいいといった発想なのか?

当時の土工具は打製石器の鍬や先端を尖らせて焦がした「掘り棒」くらいなので、穴を掘る労力も省けそう。

この長野県長和町の7,000年前の黒曜石を採掘していた遺跡から出土した「掘り棒」が、丁寧に3本並べられていたので、ただの棒以上の扱いをしていたことが伺えますネ。

「掘り棒」を持って解説しているのは、この遺跡で30年も発掘をつづけ、完掘を最後に定年を迎える大竹幸恵さん(映画の最後の方で定年が延長されたことが描かれている)

余談だけど、終戦を知らずに戦後の10年をニューギニアに潜んでいた日本兵の回顧録「私は魔境に生きた」には、逆茂木を刺した穴に落ちたイノシシが腐敗しかけ、穴が深すぎて引っ張り出すのも大変だったとか、捕獲後は直ちに燻製にして保存食にしたと書いてあったナ。

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投稿者プロフィール

縄文人見習い
縄文人見習い
ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。

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