多数決に従うだけが民主主義?・・・映画「十二人の怒れる男」
【新潟県知事選2026の結果に思うこと】
物心つく子どもの頃からテレビの洋画劇場を観ていて、よくアメリカ映画には「ここは民主主義の国だから多数決に従う」といった類いのセリフがでてくるので、そんなもんだと思っていた。

しかし、中学の時に観た裁判劇「十二人の怒れる男」は、多数決に従うだけが民主主義なのか?と、問題意識をもった映画。

スラム街でおきた殺人事件の容疑者として逮捕された少年の評決のため、狭くて暑い真夏の陪審員室に集まった12名の陪審員は、容疑者の少年の有罪を信じて疑わないが、ただひとりヘンリー・フォンダ演じる建築家だけは検察の立証に疑問を抱き、早急な評決に待ったをかけるのだが・・・。
高校1年の世界史で、史上最も理想的な民主主義を実現したのは古代ギリシャのポリスだと習った。
調べたら市民が広場にあつまってワイワイ議論していたポリス(都市国家)は、現在の市町村レベルの自治体だから、近代国家の枠組みに当てはめるには無理があるようだ。
民主主義国家を謳うアメリカは、60年代の公民権運動によりアパルトヘイトは撤廃されたが、トランプ政権から人種差別が再燃して分断が加速したから、実状は民主主義国家というより「自由主義経済国家」なのですな。
また至れり尽くせりの福祉国家として繁栄したワイマール共和国は、議会で議論が進まず財政赤字とインフレが慢性化し、結果としてナチスドイツが台頭したのだから、民主主義とは実に危うい側面のある、解釈の難しい政治システムだ。
少数意見を文字通り排除して国家が滅亡したのが、昭和初期の日本だ。

山本五十六らの海軍軍縮派は、三国同盟の締結は対米英戦を招くと反対したのが、当時の日本で売国奴、非国民と批判された少数意見。
そして大多数がナチスドイツの躍進に「バスに乗り遅れるな」と三国同盟に賛成した結果、山本五十六の予想通りに太平洋戦争に繋がっていったのは大教訓。

現在の日本ではナショナリストの三島由紀夫まで左翼とするネトウヨがいるみたいだから、山本五十六もパヨクや親中派と呼ばれるだろうネ。

38歳の無名の新人、土田竜吾は落選した。
原発事故が起こらない限り、岩盤保守の新潟の大多数の有権者は、現状維持の安定を求めて原発再稼働問題は争点としないとはわかっていた。それでも現職の投票数の半分以上を得票できたのは、次につながる大健闘ではないか。
「県民が決める新潟」の旗手として、新潟のヘンリー・フォンダや山本五十六として次回に期待したい。

ネタバレになるが「十二人の怒れる男」は、ヘンリー・フォンダが検察や目撃者の証言に、人種差別や貧困層への偏見に基づく矛盾があることを粘り強く立証してゆき、最後に陪審員の全員が無罪と評決する映画だ。
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投稿者プロフィール

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ヒスイの故郷、糸魚川市のヒスイ職人です。
縄文、ヒスイ、ヌナカワ姫の探偵ごっこをメインにした情報発信と、五千年前にヒスイが青森まで運ばれた「海のヒスイ・ロード」を検証実験する「日本海縄文カヌープロジェクト」や、市内ガイド、各種イベントの講師やコーディネーターをしています。





